オオムラサキホコリ - 粘菌シリーズ - 木もれびの森

公開日：2023-7-1

木もれびの森

オオムラサキホコリ

ムラサキホコリ科ムラサキホコリ属

2021年7月、切り株の上に白色の粒状の塊を見つけました。昆虫の卵かなと思っていたところ、三日後に見たら驚いたことに茶色の糸状の束に変化しています。このことからムラサキホコリであることがわかりました。白いのは変形体で糸状の束は子嚢からなる子実体です。子実体が大きく、柄の長さが短いのでオオムラサキホコリと思われます。

白色の変形体

2021年7月20日　東大沼

三日後、茶色の子実体に変身

2021年7月23日　東大沼

8月になって、道から少し離れたところにある切り株の上にオオムラサキホコリの子実体の大集団を見つけました。一束では見逃すことが多いですが、これだけたくさんあると遠くからでも気づきます。前日か前々日ここを通っていれてば、白い変形体が見られたはずです。

子実体の大集団

2021年8月26日　若松

密集状態

2021年8月26日　若松

白い部分は変形体が移動した跡（変形膜）

2021年8月26日　若松

二日後に見に行ったところ、子嚢内の胞子が外に飛び散っていました。

二日後の大集団

2021年8月28日　若松

大集団の写真の左端に、何かの実を包み込んでいる子実体が見えますが、二日後ここからも胞子が飛び散っている様子がわかります。

何の実？

2021年8月26日　若松

二日後

2021年8月28日　若松

その後、毎日ムラサキホコリを探して歩いていたら、樹の幹に付着している、胞子が飛び去って空になった細毛体が見つかりました。

細毛体

2021年8月30日　若松

翌年、前年と同じ場所にムラサキホコリが出現しないかと思って見ていましたが全く現れず、全然別の場所で切り株の上に2箇所小粒の変形体を見つけました。翌日、それぞれが大きな茶色の子実体になっています。その二日後、子嚢内の胞子が飛び去って、細毛体が残っていました。

白色の変形体

2022年6月26日　若松

翌日、茶色の子実体に変身

2022年6月27日　若松

小さな塊が

2022年6月26日　若松

たった1日でこんなに大きくなる

2022年6月27日　若松

胞子を飛ばした後の細毛体

2022年6月29日　若松

7月になって、10個以上の変形体をつけた枯れ木を見つけました。よくみるとこれまでのような白色ではなく、黄緑色の変形体です。翌日訪れたところ期待通り子実体に変身していました。前日の変形体の位置と比較してみると少し移動していることがわかります。移動した跡は白くなっています。

たくさんの変形体

2022年7月22日　若松

翌日、訪れると

2022年7月23日　若松

黄緑色の変形体

2022年7月22日　若松

左下に移動して茶色の子実体に変身

2022年7月23日　若松

7月の終わりに現れた変形体は、翌日になると急激に数を増やし、すでに胞子を出し始めています。

また白色の変形体発見

2022年7月29日　若松

翌日、すでに胞子を放出

2022年7月30日　若松

2023年6月、切り株に白色の変形体の集団を見つけました。その夜、雨が降ったのでどうなることやらと心配しましたが、翌日、しっかり子実体になっていました。変形体の移動が見られ、かつ増えています。地面の上の子実体（円内）は初めてお目にかかります。この切り株、根本に黄色いマンネンタケの幼菌が顔を出していたので、前から観察を続けていました。

たくさんの変形体が出現